| 3 翌日、僕は昨日と同じ時間に、同じコンビニエンスストアに着いた。
今日は本の入れ替え日じゃないだろと店長が言うので、昨日注文をうけた話をすると、「客の名前は?」ときかれた。
知らないと答えると、「そりゃ取りに来るかどうかわかんないよ。
そんな売れる予定もない本受け取れないなぁ」と顔をしかめる。
「じゃ、僕が買いますから。ここに置かせてもらえますか。あの人がきたら渡して下さい」
「名前がわかんないんじゃなぁ」
店長は、もう一度そう言ったけれど、お金と一緒にリースの本も預かってくれた。
しかし、その日、彼女はコンビニには現れなかった。
夜、店長から本店の方に電話があって、「気長に待つんだな」と、僕ははげまされた。
それから、何度か本の交換日があったが、僕が預けた3冊のクリスマスリースの本は、
いつまでもコンビニのレジ台の下につっこまれたままだった。
それを見るたび、僕の胸はきゅっと痛む。
彼女にとれば気まぐれな注文で、名前や連絡先を聞かなかった僕が悪いのだ。
けれど、僕は、その本と一緒に僕自身が捨て置かれたような悲しみをつのらせた。
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